環境と入浴剤

近年話題になっている環境問題。私たちの生活によって地球に影響がでているのか、様々な面で気になってしまうことがあるかと思います。中でも水に関連する問題は大きな注目を集めています。地球全体だけでなく、私たち人間には欠かすことのできないもの。使った水が巡り巡って自分の体に入ることを考えれば、自然と関心も高まるものです。入浴剤もその一つ。入浴剤が入ったお湯のその後について気になっている人も多いのではと思います。そんな入浴剤と環境の疑問についてまとめてみました。

入浴剤入りのお湯を捨てると環境に悪い?

入浴剤が入ったお湯を捨てると良くないことがあるのでしょうか。確かに普通のお湯とは違って色や香りが付いていますし、そのまま捨てると良くないのでは?と感じる人もいるでしょう。一般家庭からでた下水は下水処理されますので、「環境に影響があるかどうか」は、「下水処理で対応できるかどうか」ということに繋がっていると考えてよいでしょう。下水処理場の処理能力に影響を与えることなく処理できる程度であれば、入浴剤入りのお湯も捨ててもよい(問題ない)ということになります。

では、下水処理場ではどのように処理を行っているのでしょうか。日本の処理場では基本的に3つの方法を組み合わせることで下水処理を行っているそうです。

  • 物理的処理
    • これは要するに水を「ろ過」することです。異物などを取り除く段階です。
  • 生物的処理
    • バクテリアなどの微生物を使って、汚れを食べてもらうという方法です。
  • 化学的処理
    • 塩素などを使って消毒する段階です。プールなどでおなじみですね。

こうした段階を経てきれいな水へと戻していくわけですが、塩類の溶液濃度が高い場合、生物的処理の段階でバクテリアなどの微生物が機能しなくなってしまうことがあるそうです。こうした場合には下水処理の能力に影響が出てしまっていることになります。入浴剤にはそのような濃度が高いものはないようで、水に溶かしてある場合には影響のある濃度の1%程度だと言われていますので、ほとんど問題なく処理されると考えてよいでしょう。

また、こうした下水などの影響についてたびたび出てくるのが「生分解」という言葉です。生分解とは、微生物によって分解されることで、そうした性質があるものを「生分解性がある」などと使われます。入浴剤についても生分解性が語られることがありますが、検査を行った結果、様々なタイプの入浴剤でも、60%以上の生分解性があるということが分かっているそうです。

この60%という数値は一般家庭で使われる石鹸や洗剤と同程度ということですが、適切な使用の範囲であれば特に問題ないということが分かります。

ただ影響がないとは言っても、下水の問題は様々な議論があり、絶対に今後の環境が守られる、とは言いがたい状況です。入浴剤に限らず、環境のことを考えながら水を利用することを心がけたいですね。

入浴剤が入った残り湯で洗濯しても大丈夫?

入浴剤を利用するということは、当然お湯を浴槽に張って使うわけですから、たくさんのお湯を使うことになります。大量の水をただ捨てるのはやっぱりもったいないと感じてしまいますよね。残り湯の使い道として一番多いのは洗濯への利用。洗濯も多くの水を使用しますから、お風呂の残り湯を洗濯に使えれば水道代も節約できてエコですよね。

入浴剤を販売している多くの会社では、問題なく使えると説明しています。

ただし気をつけたいのは、あくまでも洗濯時に利用して「すすぎ」には使わない方がよいということです。残り湯には入浴剤の他にも人が入ったあとの体の汚れが少なからず混じっています。美肌効果や発汗作用があるような入浴剤では普段よりも多く汚れや汗が溶け込んでいることになりますから、洗い流すときには普通の水のほうが適しているでしょう。また、使ってから何日も経った残り湯は細菌などの心配もありうるので、利用しないほうが良いでしょう。

かしこく使えば財布にも環境にも優しい洗濯への利用。問題ないかどうかを把握した上で利用していきたいですね。

入浴剤入りのお湯を草木にかけても大丈夫?

残り湯の使い道として洗濯以外で挙がるのが植物への利用。「汚れなんて植物にしてみれば逆に養分になりそう」と考える人ももしかしたらいるかもしれませんね。最近はガーデニングや家庭菜園などが増えていますから、気になる人も少なくないはず。

こうした草木への影響ですが、入浴剤入りの残り湯がかかっても特に問題はないようです。ただし、入浴剤が養分になったりするわけではありませんから、あくまでも入浴剤を適切に使ったお湯として考えてください。また、とても大事にしている植物や野菜などには使わない方がよいようです。そもそも、入浴剤を入れていない普通の残り湯でも、体からの汚れや汗が溶け込んでいます。こうした成分が入っているときれいな水よりは水が腐る度合いが速くなるので、好ましくないようです。

基本的には、「草木にかかっても大丈夫」程度に考えて、しっかり育てたい植物に対しては使わない方が安全でしょう。